写真を撮った時に「あ、後ろに知らない人が写っちゃった」「電線が邪魔で風景が台無し」なんて経験、ありませんか?そんな悩みを解決してくれるのが、話題の「消しゴムマジック」です。
でも実は、iPhoneには「消しゴムマジック」という名前の機能はありません。代わりに「クリーンアップ」という似たような機能があるので、iPhoneで写真の不要な部分を消す方法について、詳しく解説していきます。
iPhoneの消しゴムマジック機能の正式名称は「クリーンアップ」
iPhoneを「iOS 18.1」以降にアップデートすると、標準の「写真」アプリに「クリーンアップ」と呼ばれる機能が追加されます。これは米Google(グーグル)が提供する「消しゴムマジック」のiPhone版といえる機能です。
つまり、iPhoneで「消しゴムマジック」と呼ばれているものは、正式には「クリーンアップ」という名前の機能。機能的にはGoogleの消しゴムマジックとほぼ同じで、写真の中の不要なものを簡単な操作で自然に消すことができます。
クリーンアップ機能でできること・できないこと
できること
ユーザーは削除したい対象物を「タップ」「なぞる」「丸で囲む」だけで、AIが自動的に物体を認識し、背景に馴染ませて自然に消去することができます。
具体的には以下のようなものを消すことができます。
人物の削除
- 背景に写り込んだ通行人
- 観光地で偶然写ってしまった他の観光客
- 集合写真で端に写った不要な人
物体の削除
- 電線や電柱
- 看板や標識
- ゴミ箱や不要な小物
- 車や自転車
その他
- 影や反射
- 小さな汚れやシミ
- 建物の一部
できないこと・制限があること
複雑すぎる背景 写真の大部分を占めるような大きなものや、背景が複雑すぎる場合は、自然な仕上がりにならないことがあります。
顔の修正 人の顔のパーツ(目、鼻、口など)を消したり変更したりする精密な修正は苦手です。
処理能力の限界 クリーンアップを試していると、iPhoneが熱を持つようになりました。またたくさんの画像を編集していると写真アプリが落ちてしまいました。やや負荷が高めの処理のようです。
一度に大量の編集をすると、端末に負荷がかかって動作が重くなったり、アプリが落ちてしまう可能性があります。
使える機種は限定的!対応端末をチェック
クリーンアップ機能はiPhone16シリーズ4機種+iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Maxの合計6機種のみで使える
対応機種(2025年現在)
- iPhone 16
- iPhone 16 Plus
- iPhone 16 Pro
- iPhone 16 Pro Max
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15 Pro Max
対応していない機種
- iPhone 15(通常モデル)
- iPhone 14シリーズ以前の全機種
つまり、iPhone 14以前の機種や、iPhone 15の通常モデルを使っている方は、残念ながらクリーンアップ機能を使うことができません。
クリーンアップ機能の使い方(ステップバイステップ)
対応機種をお持ちの方は、以下の手順でクリーンアップ機能を使うことができます。
事前準備
- iOS 18.1以降にアップデート 設定アプリ → 一般 → ソフトウェアアップデートで最新版にアップデートしてください
- Apple Intelligenceをオンにする 設定アプリ → Apple Intelligence と Siri → Apple Intelligenceをオンにします
実際の使い方
1、写真アプリを開く ホーム画面から「写真」アプリをタップ
2、編集したい写真を選択 消したいものが写っている写真を選んでタップ
3、編集モードに入る 画面下の「3本線」をタップ
4、クリーンアップを選択 右下のクリーンアップボタンをタップ

5、消したい部分を指定 消したい対象を指で囲むようになぞるだけです。枠だけではなく、消したい部分全体を白色にします。

すると、囲った範囲が虹色で覆われ

一定時間後に自動で処理されます。

6、結果を確認 処理が完了すると、指定した部分が自然に消去されます

指定しなくても、テーブルの上にあった小物などが自動的に白くなって選択されていました。AIが消したいだろう部分を先読みして表示。サクッと消すことができました。
Googleの消しゴムマジックとの比較
利用条件の違い
iPhoneのクリーンアップ
- 対応機種:限定的(iPhone 15 Pro以降の一部機種のみ)
- 料金:無料(対応機種であれば)
- アプリ:標準の写真アプリ
Googleの消しゴムマジック
- 対応機種:iPhoneやその他のAndroidスマホでも利用できます
- 料金:Google One加入が必要(月額250円〜)
- アプリ:Googleフォト
精度・仕上がりの違い
iPhoneのクリーンアップ
- 長所:端末内で処理されるため高速
- 長所:Appleの品質基準による安定した仕上がり
- 短所:新しい機能のため、まだ改良の余地あり
Googleの消しゴムマジック
- 長所:長年の開発により高い精度
- 長所:豊富な学習データによる自然な仕上がり
- 短所:インターネット接続が必要
どちらを選ぶべき?
iPhoneのクリーンアップがおすすめの人
- iPhone 15 Pro以降の対応機種を持っている
- 追加料金を払いたくない
- 標準アプリで完結させたい
Googleの消しゴムマジックがおすすめの人
- 古いiPhoneやAndroidスマホを使っている
- より高精度な仕上がりを求める
- 月額料金を払っても良い
対応機種以外でも使える代替手段
対応機種以外のiPhoneをお使いの方でも、以下の方法で似たような機能を使うことができます。
Googleフォトの消しゴムマジック
「Google One」の有料会員でしか使えませんが、簡単かつきれいに写真を修正できる『Googleフォト』の消しゴムマジックはとてもおすすめの機能です。
料金
- ベーシック:月額250円
- スタンダード:月額380円
- プレミアム:月額1,300円
使い方
- App StoreからGoogleフォトをダウンロード
- Google Oneに加入
- Googleフォトで写真を開く
- 編集 → ツール → 消しゴムマジック
その他の代替アプリ
TouchRetouch
- 買い切り型(490円)
- 高精度な物体除去機能
- 操作が分かりやすい
Adobe Photoshop Express
- 基本機能は無料
- プロ仕様の編集機能
- 学習コストが高め
Snapseed
- 完全無料
- Googleが開発
- 治癒機能で不要物を除去
上手に使うコツ
成功しやすい写真の特徴
- 背景がシンプル
- 消したいものが小さめ
- コントラストがはっきりしている
失敗しやすい写真の特徴
- 背景が複雑
- 消したいものが大きすぎる
- 光の反射が複雑
効果的な操作方法
- 一度に少しずつ 大きなものを消す時は、一度に全部ではなく、少しずつ分けて処理すると自然な仕上がりになります
- 境界線を意識 消したいものの境界線を正確になぞることで、より精密な処理ができます
- 複数回に分ける 1回の処理で完璧にならなくても、同じ箇所を複数回処理することで改善できることがあります
まとめ
iPhoneで消しゴムマジックのような機能を使うには、「クリーンアップ」という正式名称の機能を使います。ただし利用できるのはiPhone 15 Pro以降の限られた機種のみです。
対応機種をお持ちの方なら、iOS 18.1にアップデートするだけで無料で使えるようになります。操作も簡単で、消したい部分を指でなぞるだけという手軽さが魅力です。
対応機種以外をお使いの方も、Googleフォトやその他のアプリでPythonな機能を体験できるので、ぜひ試してみてください。写真の仕上がりが格段に良くなって、思い出の写真がより特別なものになりますよ。
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