「スマホの料金を安くしたいけど、今の電話番号は手放したくない」「仕事用とプライベート用で使い分けたい」そんな悩みを抱えている方に朗報です。実は、iPhoneには2つの回線を同時に使える機能があることをご存知でしょうか。
iPhoneでは、eSIMを2枚使うことも可能です。その方法について、解説していきます。
そもそもeSIMって何?普通のSIMカードとどう違うの?
eSIMとは「Embedded SIM」の略で、従来のSIMとは異なり、物的なSIMカードを挿入することなく、通信事業者のプランを契約・利用できる新しい技術です。
簡単に言うと、小さなプラスチックカードを差し込む代わりに、スマホの中に最初から組み込まれている電子的なSIMを使うということです。まるで音楽CDの代わりに、ダウンロードで音楽を楽しむようになったのと似ています。
普通のSIMカードとの違い
- 物理的なカード交換が不要:お店に行ったり、小さなカードを紛失する心配がありません
- すぐに開通:ネットで手続きすれば、早ければ数分で使えるようになります
- 複数回線を同時利用:1台のスマホで2つの電話番号を持つことができます
どのiPhoneがeSIM2枚に対応している?
まず気になるのが「自分のiPhoneで使えるのか」ということですよね。
eSIMが使えるiPhone
iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRから対応しており、以下の機種で利用できます。
- iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR(2018年発売)
- iPhone 11シリーズ(2019年発売)
- iPhone 12シリーズ(2020年発売)
- iPhone 13シリーズ(2021年発売)
- iPhone 14シリーズ(2022年発売)
- iPhone 15シリーズ(2023年発売)
- iPhone SE(第2世代・第3世代)
eSIM2枚同時利用ができるiPhone
ここで重要なポイントがあります。iPhone 13から「eSIMとeSIM」という2回線同時利用(eSIMのデュアルSIM)が可能になりました。
つまり
- iPhone 12以前:物理SIM 1枚 + eSIM 1枚の組み合わせのみ
- iPhone 13以降:eSIM 2枚での同時利用が可能
お使いのiPhoneが2018年以降の機種なら、まずは1枚のeSIMから始めることができます。
iPhoneでeSIM2枚を使うとどんなことができる?
1. 今の電話番号を残したまま格安プランを試せる
「楽天モバイルが気になるけど、電波が心配で番号を変えるのは不安」という方にもぴったりです。メイン回線はそのままに、サブ回線として楽天モバイルのeSIMを追加できます。
また、楽天の株主優待では、「楽天モバイル」の音声+データ30GB/月プランを1年間無料にてご提供されています。この場合、新しい電話番号が付与されるため、今使っている番号をキープしながら、お得にデータ通信を利用するためにも活用できます。
2. 仕事用とプライベート用の使い分け
1台のiPhoneで2つの電話番号を持てるため、以下のような使い分けが可能です。
- 平日9-17時は仕事用番号で着信
- 休日や夜間はプライベート番号のみ着信
- データ通信は安い方の回線を自動選択
3. 海外旅行時の通信費節約
海外旅行の際、現地のeSIMを追加すれば
- 日本の番号で緊急連絡は受けられる
- 現地の格安データプランでネット利用
- 高額な海外ローミング料金を回避
4. 万が一の通信障害対策
2022年7月にKDDIで大規模な通信障害が発生したことを覚えている方も多いでしょう。異なる通信会社の回線を2つ持っていれば、一方が使えなくなっても、もう一方で連絡を取ることができます。
メリット・デメリットを正直に比較
メリット
料金面
- 月額基本料0円のプランと組み合わせて節約
- データ通信量に応じて安い回線を自動選択
- 家族割引などの既存プランを維持しながら追加可能
利便性
- 1台のスマホで2つの番号を管理
- 物理的なSIMカードの差し替え不要
- 即座に開通、設定変更も簡単
安心面
- 通信障害時のバックアップ回線
- 海外でも日本の番号で連絡可能
- 仕事とプライベートの完全分離
デメリット・注意点
技術的な制約
- 同時にデータ通信できるのは1回線のみ
- バッテリー消費が若干増加する可能性
- 古いiPhoneでは物理SIM+eSIMの組み合わせのみ
設定の複雑さ
- 最初の設定は慣れるまで少し難しく感じるかも
- どちらの回線で発信するか選択する必要
- 通話料金の管理が複雑になる場合
コスト面
- 基本料金が2回線分必要(0円プランを除く)
- 通話料金の管理が複雑
- 解約時の手続きが2回線分必要
こんな人に特におすすめ
楽天の株主優待を検討している方
楽天グループの株を100株以上持っている方は、楽天モバイル音声プラン+データプラン(30GB/月)を1年間無料提供の優待が受けられます。新しい番号が付与されるため、今の番号を手放したくない方には最適な選択肢です。
仕事とプライベートを分けたい方
- 営業職で顧客からの連絡と私用を分けたい
- 副業をしていて連絡先を使い分けたい
- 家族には内緒の趣味用の連絡先が欲しい
通信費を節約したい方
- 今のキャリアは解約したくないが料金は下げたい
- データ通信だけ格安SIMを使いたい
- 月によって使用量にバラつきがある
海外出張・旅行が多い方
- 現地SIMを使いたいが日本の番号も維持したい
- 海外ローミング料金を節約したい
- 複数の国を回る際に便利に使いたい
実際の設定方法(iPhone 13以降の場合)
ここからは、実際にeSIM2枚を設定する手順をご紹介します。スマホ操作が苦手な方でも大丈夫なよう、一つずつ丁寧に説明していきます。
事前準備
- Wi-Fi環境:安定したネット接続が必要です
- 契約情報:利用する通信会社のeSIM契約(QRコードまたはアクティベーションコード)
- 時間の余裕:初回設定は30分程度見ておきましょう
設定手順
Step1:設定アプリを開く iPhoneのホーム画面から「設定」アプリをタップします
Step2:モバイルデータ通信を選ぶ 設定画面で「モバイルデータ通信」をタップ
Step3:eSIMを追加 「eSIMを追加」または「プランの追加」をタップ
Step4:QRコードを読み取る 通信会社から提供されたQRコードをカメラで読み取ります
Step5:回線の名前を設定 「メイン」「サブ」「仕事用」「プライベート」など、わかりやすい名前を付けます
Step6:デフォルト回線を選択
- 音声通話のデフォルト
- メッセージのデフォルト
- データ通信のデフォルト
をそれぞれ設定します
設定で迷いやすいポイント
「どちらをメインにすればいい?」 普段よく使う電話番号をメインに設定するのがおすすめです。着信時に「どちらの番号にかかってきたか」が表示されるので、後から変更も可能です。
「データ通信はどちらを使えばいい?」 基本的には料金の安い方、または通信速度の速い方を選びます。設定後もいつでも変更できるので、実際に使いながら最適な設定を見つけましょう。
料金シミュレーション:実際どのくらいお得?
パターン1:大手キャリア + 楽天モバイル
- 現在:ドコモ 7,315円/月(無制限プラン)
- 変更後:ドコモ 1,078円/月(1GB)+ 楽天モバイル 1,078円/月(3GB以下)
- 月額差額:5,159円の節約
- 年間節約額:61,908円
パターン2:大手キャリア + povo2.0
- 現在:au 7,238円/月(無制限プラン)
- 変更後:au 3,278円/月(1GB)+ povo2.0 0円/月(基本料)+ 必要時に390円/1GB
- 月額差額:約4,000円の節約
- 年間節約額:約48,000円
パターン3:楽天株主優待活用
- 現在:ソフトバンク 7,238円/月
- 変更後:ソフトバンク 3,278円/月 + 楽天モバイル 0円/月(株主優待)
- 月額差額:3,960円の節約
- 年間節約額:47,520円(優待期間中)
よくある質問と解決法
Q:設定が難しそうで不安です
A:最初は慣れないかもしれませんが、一度設定してしまえば普通のスマホと同じように使えます。多くの通信会社では電話サポートも用意されているので、わからないことがあれば遠慮なく相談しましょう。
Q:バッテリーの減りが早くなりませんか?
A:2つの回線を同時に待ち受けるため、若干の消費量増加はありますが、日常使用で大きな差を感じることは少ないでしょう。気になる場合は、使わない回線を一時的に無効にすることも可能です。
Q:通話料金が混乱しそうです
A:発信時に「メイン回線」「サブ回線」を選択できるため、通話料金の安い方を意識的に選ぶことができます。また、請求書も回線ごとに分かれるため、家計管理も明確になります。
Q:万が一、元に戻したくなったら?
A:eSIMの削除は設定アプリから簡単にできます。物理的なSIMカードの差し替えも不要なので、「試してみて合わなかったら元に戻す」という気軽さがeSIMの大きなメリットです。
まとめ:新しいスマホライフを始めてみませんか?
iPhoneでeSIM2枚を使うことで、今まで諦めていた「電話番号はそのままで通信費を安くしたい」という願いが叶います。特に楽天の株主優待+povoを活用すれば、1年間は実質的に追加料金なしで2回線を持つことができます。
最初の設定は少し手間に感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえば、スマホライフがぐっと便利になることでしょう。今の時代、通信費の節約は家計管理の重要なポイントです。
「まずは1つのeSIMから試してみる」というスタートでも十分価値があります。あなたも新しいスマホライフの第一歩を踏み出してみませんか?
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